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中小企業の営業活動④【専属の営業職がいない場合】

2022.07.15
中小企業の営業活動④【専属の営業職がいない場合】

中小企業の経営者の皆さん、『ウチは積極的に営業活動しても意味がないんだ』『営業するような業界じゃないんだ』そう諦めていませんか?
でも売上は下がっていて、ジリ貧であれば何らかの営業活動は必要ではないでしょうか?

これまでのまとめ

 では、
〇営業とは無駄と無意味によって構成されていると理解する事。
〇他のスタッフに意見や情報を求めること。
では
〇主な既存客の過去10年間の月次の売上推移を出し、正確に状況を把握する。
〇売上が激減している既存客にメールし、お会いする事。
そして、その要因を丁寧に聞き取ること。
前回では、
〇商談への考え方
を解説させていただきました。

 

 

 

 

【ご理解いただきたいこと】


本題に入る前に、申し上げます。
前回同様、今回の内容も全ての中小企業の皆様にピッタリと当てはまる訳ではないと正直にお伝えしておきます。
売上を増やすベストな方法は100社あれば、少なくとも100通りあります。
全く同じ悩みを持っているように見える企業が10社あっても、その解決方法は少なくとも10通りあります。
何故なら、悩みが同じであってもその企業が持つ人員、意欲、経営者の性格や好みがそれぞれ異なり、実現可能な事、やりたい事、やりたくない事もそれぞれ異なるからです。
結果として、誰かが一見合理的な提案をしても、その経営者やスタッフが自らの意志で「これをやろう」と思えなければ、机上の空論でしかありません。
ですので、私が企業に対してアドバイス(どんな営業活動をすべきか)をする時は、【この企業ができること、やりたいと思えることで、売上を増やすことが出来るのはどんな方法か?】という視点で考え、経営者と意見交換を重ねます。
私の提案を「それはやれない」「やりたくない」と拒否しても全く気にしませんし、その場合は別の手段を提案します。

しかし、ブログは不特定多数の方に向けて発信する媒体ですので、これから読んで頂く方がそれぞれどのような状況にあるのかが分からない以上、こうした事は叶いません。
ですので、これから提案する内容はあくまで【まずはこのように考えてみてはいかがでしょうか?】というシンプルな内容をまとめたモノだと思ってお読みください。

 

 

 

 

今回は・・・

では、本題に入ります。
これまでの三回は売上不調に苦しむ中小企業が真っ先に取るべき営業活動として、既存客へのアプローチを解説してきました。
そして、その中でどのように営業活動を考えるべきなのかを解説しました。
今回は中小企業の営業活動全般において、おススメのルーチンワークを解説します。

まずこの言葉を紹介したいと思います。

 

 

 

 

「誰にでも出来る、いつからでも始められるのが営業という仕事です。」

これは私が中小企業の経営者や役員の方によく言う言葉です。

 

 

 

 

とにかくメールを送ろう!

具体的に言えば、出来るだけ最近会った方で(最近会った方が思いつかない場合はかなり前に会った方でも構いません)、お客様に成り得る方にメールを送るということです。
(これは前回取り上げたような主な既存客ではなく、あまり取引のない既存客やこれまで一度も取引のない新規顧客に対して、ということです。)

 

 

 

 

 

私とお客様との間でよく交わされる会話

相談者である企業の経営者と同社取締役との間で実際に交わした会話です。
(勿論その時偶然起きた珍しいケースではなく、よく起きる会話です)。

A社長「既存客からの注文が減っていまして、危機感を抱いています。川端さんなら適切な具体策を教えてくれると聞きまして助言をお願いいたします。」
B取締役「やはりSNSとかネットを活用した販促ですかね?我々にもう出来ることは思いつきませんし・・」
川端「既存客の状況はどの程度把握されていますか?」
A社長「え?」
川端「どの既存客がどの時期から売上が減少しているのか、またその原因やきっかけをどの程度把握されていますか?」
A社長「全体数字がここ数年下がっているという認識はありますが、顧客別には正直把握していません」
川端「では、そこからきちんと調査し、原因が分からない部分はその既存客にアポを取り、お会いし聞き取りましょう。必要なら私も同行します。」
川端「それと先程B取締役が出来ることは思いつかないとおっしゃっていましたが、ここ最近営業活動の一環としてどなたかに電話したり、メールを送ったりということはされましたか?」
B取締役「いえ、私は営業じゃないのでやっていません」
川端「誰にでも出来る、いつからでも始められるのが営業という仕事です。以前に名刺交換をし、挨拶をした、打合せをした、展示会などで話し込んだという方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?その中で御社のお客様に成り得る方は何人かはいらっしゃるはずです。」
B取締役「それでしたら勿論います」
川端「では、そういう方にどんどんメールを送ってください。最近お会いした、長い時間話したなどB取締役を憶えている可能性が高い方からメールを送ってください。」
B取締役「それって意味あるんですか?それも営業活動に該当するんですか?」
川端「勿論立派な営業活動です。今はアプリで名刺を管理している方も多いので、メールを送ってきた差出人にいつどんな時に会ったのかはすぐに分かります。まして長時間話した方でしたら思い出す可能性も十分あります。そんな方からメールが来て悪い気はしない、そういう方もいるのではないでしょうか?」
B取締役「なるほど。いやそういう発想は全くなかったです」
川端「まずはやらないよりはマシだと思えることをちょっと空いた時間にやるという事から始めてください。メールなら慣れれば10分もあれば1通送れます」

さて、皆さんはこの一連のやり取りを見て、どう思われたでしょうか?

 

 

 

 

 

売上に苦しむ企業の共通点

営業活動が滞っている会社の共通点として、
お客様にこちらから何のアプローチもしていない
という点が挙げられます。

しかも誰一人こちらからアプローチをしていないということです。
そして、このことの異常さや危険に気づいていない
ということです。

つまり電話もメールも訪問もこちらからは誰も一切していない、ということです。
(新規客は勿論、既存客にすら誰もしていないという事です。
恐らく既存客にすらこうしたアプローチをしていない会社は、新規客には勿論していないと思います。
残念ながら、こうした状況は既存客から見れば、「私はあなたの会社に興味を持っておりません。私どもへの注文や契約が減ろうが、構いません」と宣言しているも同然です。
この場合、お客様から見れば、私達の人員が少ない、専属の営業職がいないなどの事情は関係ありません。
専属の営業職がいない中小企業がこうした事情を打破するには、役割分担に関わりなく、一人一人が会社の営業活動を担うしかありません。

逆に言えば、それさえ出来れば、専属の営業職がいない、もしくはいても機能していないという状況を打破できるということです。)

逆に営業活動が順調に進んでいて、売上も伸びている会社はお客様への電話やメールや訪問のアプローチ量が、お客様からの問い合わせや注文などのメールや電話の量を圧倒的に上回っています。

 

 

 

 

【売上の公式】

簡単にまとめると
売上が順調な会社
こちらからのアプローチ量>お客様からのアプローチ量
売上不調な会社
こちらからのアプローチ量<お客様からのアプローチ量

このように考えてみれば、至極当然の結果と言えます。

居酒屋などのお店も、ただお店を開き注文を待っているだけより、外でチラシを配ったり、来店されたお客様に話しかけたり、おススメのメニューを紹介したり、お帰りの際に「またのご来店をお待ちしております。」の一言をかけるだけでもずいぶん印象が違うのではないでしょうか?

或いはこちらから電話をしたり、LINEでメッセージを送ったりした方がお客様は来てくれるのではないでしょうか?
それと同じです。

 

 

 

 

 

お客様の気持ちを考える

(法人・個人関係なく)お客様は『自分は他の人よりも大事にされている』と思いたいはずです。
そして、その願望を叶えてくれる人(会社)とより付き合いたい、というのはビジネスでもプライベートでも同じことが言えるのではないでしょうか?

お客様はただ待っているだけの会社や人より、熱心に積極的にアプローチしてくる方に誠実さや好感を抱きます。
また皆さんがアプローチに消極的な一方で、ライバル会社が積極的にPR活動を展開すれば、こちらが不利になるのもまた当然の結果です。

まして、こちらからのアプローチ量が慢性的にゼロ、もしくはほぼゼロという企業が遅かれ早かれ売上不調になるのは当然のことです。
しかし、残念ながらそうした企業はかなり多いと思います。

 

 

 

 

まずはこの状況から脱しましょう!

まずは訪問でも電話でもメールでも形はどうあれ、こちらからアプローチする量を増やす。
決して、
こちらからのアプローチ量<お客様からのアプローチ量
という状態を作らない

まして、この状況を続けないことを心掛けてください。

ポイントはアプローチとは訪問でなくてもいい。
電話でもメールでもいいという点です。

そして、その中でも何故私が『まずはメールから始めよう』と提案しているのかを次回解説します。