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人脈を作るって、それだけじゃない!

2020.04.03
人脈を作るって、それだけじゃない!

私は仕事柄、顧客から「私はこういうふうに提案しているのですが、どう思いますか?」という風に聞かれることが多い。これは企業全体の話であっても、個人の営業職の方からでも言い方は多少違うが同じである。しかし個人の営業職の方には、「このようなやり方はいかがでしょうか」、「この販路を開拓すべきです」など具体的な提案をする一方で、「長期的に考えれば人脈をどう作るかということを常に考えるべきです」と必ず言う。営業という仕事をするにあたって、どのようなモノ・サービスを扱っていても、人脈は大きな武器になる。

 

しかしながら、皆さんがイメージする人脈と私が思う人脈は多分違うはずだ。だから、その背景から説明していく。まずいきなり厳しいことを言うが、営業職がその会社に所属している限り、消費者や顧客の気持ちを理解することなど不可能だ。(よく上司が「顧客の立場になって考えろ」「お客様にメリットのある提案をしろ」「ウィンウィンの提案をしろ」と言うのだが、私に言わせれば無理な話である。何故なら、ほとんどの営業職は仕事として収入を得るため、家族を養うため、社内で評価されるため、などの目的のために働いているだけであり、それ自体を変えることはできない。そんな営業職が考えた提案は「顧客の立場に立った提案」ではなく、所詮はどこまでいっても「営業マンが必死になって顧客の立場に近づこうとした提案」でしかない。営業職が自分の売上や実績を最重視するのは当然であるし、何も恥ずかしいことはない。しかしながら、その時点で顧客の立場になること自体が根本的に難しい話であると思う。)そこで大いなる武器になるのは営業とは無縁、自分の業界とも無縁の人々との交流である。

 

 

巷で開かれている異業種交流会は私も参加したことがあるが、ほとんどの人は名刺交換をし、自分の顧客或いは顧客を紹介・仲介してくれる人を探すというテーマで参加していると思う。勿論それ自体は自然なことであるし、こうしたことも大いにやって欲しいと思う。しかし、私が言う人脈作りとはこうしたことではない。全く顧客になり得ない人、何の利害関係もない人との人脈作りをするのだ。そして、自分の仕事ぶりや仕事内容や提案を見てどう感じるかを折を見て繰り返し何度も聞き続けるのだ。これが最も「顧客の立場になって考えろ」の解に実は近づける。「いやいやその業界のことを知らない人がその顧客の立場や考え方なんか分からないでしょ」という反論が返ってきそうだが、それは違う。「出来るだけ安くて良いモノを買いたい」「好きな会社や店、好印象を持った営業職や販売スタッフから買いたい」などということは人がモノを買う時の普遍的な原理である。それを業界の常識・慣習、特殊性などというフィルターにかけることでかえって本質を見失った対策や議論をしているのが組織や会社の実態である。それを矯正してくれるのが業界の知識や慣習、常識に捕らわれない人々の意見である。私個人の話をすれば、上司や先輩、業界関係者に聞いたアドバイスよりも、奥さんサトミさんの意見の方がはるかにハッとさせられる事が多いのはこうした事の証左ではないだろうか。

あなたが居酒屋の店主で新メニューの意見を聞くなら一緒に働いている店員に聞くより、店の運営にタッチしていない、可能なら居酒屋の店主であることすら知らない知り合いに食べてもらい意見を聞いた方がはるかにいいのと同じである。出来れば、これを複数の人に聞くとより精度の高いリサーチになるだろう。
或いは製造業の営業職なら製品のことが全く分からない人にいかに理解してもらえるかという視点で自分の提案内容を聞いてもらうのもいいだろう。

そう、私が推奨する人脈作りとは顧客になりうる人を探すことでも無ければ、それを仲介する人を探すことでもない。逆である。自分たちの業界の知識も利害関係もない人々と交流するということである。友達でも知り合いでも飲み仲間でも家族でもいい。

そして、そこで得た客観的で無責任な意見を集約することで顧客の立場に近付き、どう提案活動に生かすのかを考える。そこでも分からなければ私の出番である。

サトミ営業相談所はこうした人脈を生かしてここまでやってきた。顧客から「営業の世界にイノベーションを起こす」「面白い奴がいる」「ここまで教えてくれる人ってあんまりいないんじゃないか」「応援したくなる」「あんな奴はいない」と言われてきたのは私だけの力ではない。偉大な素人の皆さんの知恵と英知を結集してここまでやってきたのだ。だから、サトミ営業相談所の歩みそのものが私の主張が確かな何よりの証拠である。

人脈とは単なる人の連なりであり、全員が同じ方向を見ている必要などないまたそれぞれが別々の方向を見ているからこそ、誰かが何かに気付くこともあるはずだ。サトミ営業相談所はそうした仕組みを作ることでその会社や営業職の能力を最大限に高めていくことを提案する「営業の専門家」でもある。