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企業に尖ったものは必須?

2020.02.21
企業に尖ったものは必須?

以前、私が顧客とコーヒーを飲みながら話していた時の話だ。「いや、実は川端さんと出会う前は銀行から紹介したもらったコンサルタントに相談に乗ってもらっていたんですよ。SWOT分析をしなさいと言ってましたね。あとやっぱり誰にも負けない尖った部分、みたいなモノを作りなさいって。なんだかピンとこなかったですよね。確かに尖ったものがあった方がいいんでしょうけど。やっぱり尖ったものってないとダメなんですかね?」

実はこうした話は結構多い。(因みにSWOT分析とは自社の強み、弱み、機会、脅威を分析し戦略を策定する方法の一つらしいとその顧客が私に説明してくれた)尖ったものはやっぱり企業の経営に必要なのか、これは企業やお店の経営を左右しかねない大きな問いかけだ。もし企業の経営に尖ったものが必須ならば、あらゆる経営資源を投入してそれを作らねばならない。

結論から言おう、私は「尖ったものはあったら尚いいが、なくても売上を伸ばすことは十分可能だ」という立場だ。そういう意味では必須などではないと思う。確かに顧客自身が思う強みとマーケットが評価する強みが一致しているのか、という検証は必要だし、それが一致していないようだとプラス面では新たな事業を検討することが可能だし、マイナス面で言うと今コストをかけて展開しているサービスや商品が評価されていないということに他ならない訳で今後売上は下がっていくだろう。しかし、これらを正確に把握している会社など私は皆無だと思う。マーケットリサーチに多額のコストを払っている巨大企業ですら、一定数失敗や見込み違いはある。自社を分析し、マーケットにどう受け入れられるかを予測することはそれだけ難しいと私は考える。だから、この顧客のように「自社を分析しよう、尖った部分を作ろう」と言われてもアドバイスとしては何の意味もないと思うのはこの顧客と私だけではないだろう。はっきり言ってしまえば、「頑張ってください」と言われたと何も違わない意味のないアドバイスだと言える。

 

 

本題に戻る。尖ったものは必須ではないと考える理由はこうだ。何かを買うという時に誰もが、そして常に一つの項目や商品の特性でどこで何をどれくらい買うかを決めている訳ではないということだ。これはミクロで考えても、マクロで考えてもそうだろう。何となくで決めることも多いし、たまたまその会社の営業マンと趣味の話で盛り上がったからという理由で決めることだってあるだろう。喫茶店であればコーヒーは普通だけど、店員もそこそこ愛想がいいし、家からそこそこ近いしという理由で通っているなんてこともあるのではないか?確かにわかりやすい看板メニューがある居酒屋に通っていますという人も多いだろう。だが、それはきっかけに過ぎず、やはりお店の雰囲気が良かったり、店員の感じがいいなどの複合的理由で選んでいることの方が多いのではないだろうか。これらは店や企業が自分たちで強みと認識してやった結果というよりは、サービスとして当然のことだと思ってやっているだけなのだろうが、結果確実に客の獲得につながっている。もしかしたら、こうした基本的なスタンスの積み上げの方が、看板メニューの存在よりも集客効果が高いのかもしれないと思うのは私だけだろうか?
(因みに私が今一番お気に入りの店と宣言している地元荒川区を代表する名店、あんじゅさんは確かに世界一のチキン南蛮という尖ったものを持っている。おまけにその他のメニューも美味しい。でもやっぱり最大の魅力はマスターや奥さんの人柄であり、接客だと思っている。もしあんじゅにチキン南蛮という看板メニューが無くとも私は通い続けると思うし、そう思っているお客さんも多いと思う。これが人がモノを買う普遍的な本質ではないだろうか)

だから、尖ったものを作れ!というのは私の感覚では無責任で軽い発言だと思う。これらは言われて一朝一夕で出来るものではないし、そうアドバイスするコンサルタントがその顧客にあった具体案を提示できないなら何の意味もないアドバイスと考える。少なくとも私はそういう考え方だ。
私は営業の専門家である。モノの売り方を改善することのみでどう売上を増やすかを考える専門家である。その私が見て、当たり前のことを着実に営業活動に落とし込んでいけば、結果は自然とついてくる。そもそも尖ったものを作れというのは言ってしまえば、経営者自身が最も強く願っていることであり、外部に言われて初めて製作に取り掛かるものではないのだから

 

 

因みにこれらの尖ったものがなくても良いというのは企業やお店に限らないと私は思う。一人の人間が強烈な才能や能力などなくても誰かから必要とされ尊敬されることは十分可能だ。個性は突出した何かからしか発露しないものではないし、自分自身で作り上げていくものでもない。何かに取り組んでいる中で他人が勝手にあなたに感じるものなのだから。言ってしまえば、特別なことを何もしなくてもあなたから個性を感じ取る人は必ずいるはずだ。これは断言できる。

 

 

確かに外部からあらゆる経験や知見を取り込んで、自社では思いもよらなかった方向付けをするのは私も賛成だし、それが実現しているケースも喜ばれているコンサルタントもいるだろう。だが、現実にはこうした「そんなもん、分かってるわい!」というようなアドバイスに終始しているコンサルタントは本当に多い。これは私が言っているというより、顧客からそう私が聞くことが多いということだ。私が話を聞く数には限りがあるので、私が知らないところでもっと無駄だったと思っている経営者は多いのかもしれない。

 

 

こうした背景があり、立ち上がったのがサトミ営業相談所であり、私川端自身が起ち上がった理由でもある。

サトミ営業相談所はこうした営業の世界で何となく流れている誤った常識を破壊し真実に迫る、闘う「営業の専門家」なのである。