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目から鱗のハウツー営業【お客様との雑談】

2022.09.01
目から鱗のハウツー営業【お客様との雑談】

突然ですが、私は営業職の皆様に[営業という仕事の真の面白さ]を伝えたいと思っています。
サトミ営業相談所の川端です。

 

 

これまでの5回は営業という仕事を全体としてどのように捉え、考えるべきなのかという最も根本的な点を解説しました。

 

 

今回は一転して、もう少し具体的なテーマに入ります。
それは【お客様との雑談】についてです。

 

 

 

 

 

お客様と雑談で盛り上がれない・・・

 

 

 

営業職から打ち明けられる悩みで意外と多いのが、「お客様と仕事以外の話で盛り上がらない(打ち解けられない)」というモノです。

 

 

営業活動とは面白いモノで、本来契約獲得が目的であるのに、割と契約とは全く関係のない話をしていますよね。

 

実は営業成績が良い営業職ほどこうした時間の割合が高いです。

 

これは営業成績が良く精神的余裕があるからそれが可能とも言えますし、お客様と良好な関係を築いているからそうした時間を持てるとも言えますし、仕事と関係のない話でお客様との距離を縮めることで契約を獲得出来ているとも言えます

 

 

 

いずれにしても、そうした仕事以外の話をしている時間を気まずく過ごすのか、盛り上がってお客様から「今度またこの話の続きをしようよ」「また顔を出してよ」「今度飲みにでも行こうよ」と言われるのかは非常に大きな違いです。

 

 

 

 

雑談に対する誤解

 

 

 

ではまず、多くの方が抱いている誤解を解くことから始めたいと思います。

 

時折、「商談やプレゼンがうまく出来ないなら、お客様と雑談くらいはしてきてください」と部下にアドバイスする上司を見ますが、これは誤りです。

 

 

 

何故なら、商談より雑談の方が難しく感じる営業職が一定数存在するからです。
これは個人差があり、必ずそうである訳ではありませんが、営業職が商談より雑談の方が難しく感じるのはごく自然なことです。

 

 

 

 

 

【難易度:商談>雑談】は本当か?

 

 

例えば、相手の趣味や嗜好が分かっていて、どのような話ならお客様が関心を持つのか分かっている場合は恐らく雑談の方が楽でしょう。

 

あるいは雑談が得意、苦手意識がない営業職は問題ないでしょう。

しかし、そうした営業職はそもそもそれ以上に商談や商品PRに抵抗がないのではないでしょうか?

 

 

ですから、商談や商品PR、プレゼンが上手くいかない、或いは商談やプレゼンまで到達しない営業職に「ならば雑談くらいはしてきなさい」は的外れな助言であると言えます。

 

お客様がどれほど耳を傾けているかは別として、話す内容が最初からある程度固まっている商談や商品PRと、話題をゼロから模索する雑談では前者の方が間が持つという意味では簡単なのではないかということです。

 

 

もう少し噛み砕いて解説します。

 

営業成績が伸び悩んでいる営業職の共通点は
繰り返しになりますが、お客様へのアプローチ量が少ないこと
です。

これは営業活動全体としてもそうであり、個別のお客様に対しても概ね言えます。

 

 

 

 

図式

 

 

 

図式としてはこうです。
お客様へのアプローチ量が少ない。
→お客様との人間関係が構築できない
→お客様とのコミュニケーションが取れない
→お客様の事を知らない

その結果として、生まれている現象が
お客様が商品のPRに耳を傾けてくれない。
お客様との雑談が盛り上がらない。

これらは相互に密接に影響を及ぼしていて、なおかつ商品のPRを聞いてくれない理由と雑談が盛り上がらない理由はほぼ同じであり、根本的にはアプローチ不足によるお客様との人間関係の未構築です。

言い換えるなら、お客様とのコミュニケーションが不十分だからこそ商談がうまくいっていない、結果数字が悪い、それと並行した現象として雑談が盛り上がらないということです。

ですから、営業成績が振るわない営業職に「雑談だけでもしてきて」というのはその上司の「雑談の方が商談や商品PRよりは簡単である」という思い込みによる誤った助言ということになります。
これは恐らく「お金を負担して商品を買う事」はハードルが高く、その要請・手段である商談や商品PRよりは、お金のかからない雑談の方が簡単なはずだ、またそれによってお客様と仲良くなれば営業活動にプラスに転じるだろうという安易な考え方によるモノだと思います。
実際はお金がかかることのハードルの高さはお客様によって異なり、またお客様の性格や決裁範囲のみならず、営業職への心象や好感度によっても異なるため、一概に商談や商品PRの方が雑談より難しいとは限りません。

雑談の盛り上がりとお客様との人間関係の関連性

また、雑談の盛り上がりとお客様との人間関係構築は「鶏が先か?卵が先か?」の鶏と卵の関係です。

 

 

多くの方が、上述の上司のように
雑談が盛り上がる→お客様との人間関係構築に成功
の構図を思い描いていますが、
逆に、お客様とある程度仲良くなってしまえば、

 

 

 

お客様と気軽に話せる
お客様自らが自身のことについて語り始める
という現象が生まれ、雑談のハードルがグッと下がります。
そうなると、お互いの趣味や好みが分かり、
労せずして雑談は成立してしまいます。

 

 

ですから、営業職にとって懇意にしているお客様との雑談は簡単です。
何のコツも努力も必要ありません。

 

 

 

一例ですが、
営業職「Aさん、プロ野球開幕しましたね。野球はお好きですか?」
お客様A「野球は好きだよ。奥さんも好きだから今週球場行くけど」
営業職「球場まで行くんですか?すごいですね。球場の何がそんなにいいんですか?僕は自宅のテレビ中継で十分楽しめますよ」
お客様A「やっぱり少し熱い時の球場で飲む生ビールが最高だよ。」
営業職「結局生ビールを飲みたいだけじゃないですか!」
お客様A「まあそうとも言うな」

 

 

とまあ大まかに言うと、盛り上がる雑談とはこのような感じではないでしょうか?

 

 

ポイントは
❶野球が好きという共通項を持っている(話題とテンションの共有)
❷営業職側は次々と質問を繰り返している
❸それに対して、お客様は質問への回答に留まらず、新しい情報を自ら提供している(お客様も雑談を盛り上げようという意思を持っている)

 

 

 

この3つを支えているのは、お客様と営業職が良好な人間関係を構築していて、言葉をそれほど選ばずに済むということがあります。

 

一言で言えば、お客様と仲が良いということです。

つまり、お客様と良好な人間関係が構築されていれば、雑談など何の苦にもならないし、知識も工夫もテクニックもそもそも不要だということです。

 

 

何故このように前置きをしたかと言うと、雑談は営業職によって難易度に大きく差がある、また同じ営業職にとっても相手(お客様)によって難易度に差があると言うことを理解して欲しかったからです。

 

 

 

 

 

仕事において大切にして欲しいこと

 

 

 

これは仕事を上達するコツの一つですが、本来それがどのようなモノであるということ、どのくらい難しいことかということ、何がその難しさを生んでいるのかということを正確に把握するということが状況を打開する第一歩です。

 

 

 

雑談を上手くこなせるようになりたいと切望しても、それがどのようなモノか、どの程度難しいのか、そして何がその難しさの原因なのかを理解せずにいては、ただ「雑談のコツ」などのような本などを多数読み込み、またネットで検索を繰り返すだけになり、自分に効果をもたらすモノを探し当てることは出来ません。

 

まして、人によって性格も得意・不得意も異なるのですから、そこで目にしたモノを実行に移しても効果が出ないのは当然です。

 

 

 

ですので、雑談でお客様と盛り上がりたいのなら、お客様との人間関係が構築されておらず、何に興味があるのか分からない、どんなことについて話せばお客様が興味を示すのか分からないという条件下に絞って何をどうすればいいかを考える必要があります

 

 

一方で、お客様と仲良くなれば雑談が盛り上がりやすいと同時に、事実として、雑談が盛り上がることによって初めてお客様と仲良くなる場合も多々ありますよね。

 

 

 

雑談のポイントは

お客様と仲良くなれれば、共通の話題がなくても何とかなる。

だから、この場合は考えなくていい。

 

 

→仲良くないお客様とどうやったら雑談を盛り上げることが出来るのかという視点に絞って始めなければならないということになります。

まずはここからです。

 

 

 

ここまでお読みの方は「雑談のコツが教えてもらえると思っていたのに」とガッカリされた方も多かったでしょう。

 

しかし、よくお考え下さい。

 

 

 

SNSや営業本は、それを目にする人が即日役に立つと思えるような情報を発信する傾向が強いです。

実際に、役に立つモノではありません。

【即日役に立つと思えるモノ】です

 

それが悪いのでなく、それを目にする側がそれを求める以上そうなるのはビジネスとして当然のことです。

しかし、その中で実際役に立つモノがどれほどあるでしょうか?

恐らく、ほとんどありません。

 

 

 

雑談に限らず、商談にしても、プレゼンにしても
これらの発信はそれらが本来どのようなモノであるのかという説明を抜きにして、特効薬として「これをやればすぐにうまくいく(解決する)という方法」に特化しています。

 

繰り返しますが、私はそうしたモノが役に立たないのは当然のことであると思います。

 

 

他人から提供された具体策をただ真似するよりも、本来はそれがどのような目的で必要であり、どのようなモノかを把握し、それを理解した上で具体策に入れば、他人からの具体策のどれが役に立ち、どれが役に立たないかはすぐに分かります。

 

また、実行するのがあなた自身である以上、あなたが実行して最大限の効果を発揮するモノはあなた自身が盲目的に何となくやることではなく、あなた自身がその根拠に納得し効果を実感できることです。

 

 

ですから、今回は雑談とはいかなるものか、どのように考えるべきモノかをまず解説しました。

 

次回はそれを踏まえて、具体策に入ります。