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目から鱗のハウツー営業【数字という結果の受け止め方[前編]】

2022.08.04
目から鱗のハウツー営業【数字という結果の受け止め方[前編]】

突然ですが、私は営業職の皆様に[営業という仕事の真の面白さ]を伝えたいと思っています。
サトミ営業相談所の川端です。

前回①はこの二点について解説しました。

 

❶営業は実にシンプルな仕事
❷営業の数字≒お客様との信頼関係、人間関係の総和≒お客様へのアプローチ量

 

 

一言で言うなら、営業はシンプルな仕事だから、難しく考える必要なんかないし、高いスキル(プレゼン能力や営業テクニック、戦略の方向性)も全く必要ない。
お客様へのアプローチ量を地道に積み上げていけば良いということです。

 

 

今回は前回の内容と本来は対で語るべき重大なポイントにして、にも関わらず見落とされているポイントについて解説したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

数字の全責任を感じてはいけない

それは売上不振に悩む営業職はその責任の全てが自分自身にあると思ってはならないということです。

 

 

『思う必要はない』ではありません。

 

『思ってはならない』です。

 

 

今結果が出ていない営業職の皆様は、必ず一度自分の営業活動の中で自分自身の意志で行動したモノがどのくらいあるのか精査してみてください。

 

 

誰かから言われて半信半疑でやっていること、上司から言われて仕方なくやっていること、会社の方針でやらざるを得ないことがかなりあるのではないでしょうか?

分かりやすく伝える為に単純化した話をします。

 

 

仮にこうした行動があなたの行動の4割を占めているなら、あなたの数字の責任は6割のみです。
まずはそこから始めて欲しいと思います。

 

 

解説に入る前に予め言っておきますが、私はただ注目を浴びたくて、目を引くような極端な内容を選んでいる訳ではありません。

大真面目に、優先順位の高いモノから話しているつもりです。

ただ、これまでの常識や慣習には一切縛られていません。

 

 

 

 

 

営業職最大の矛盾と憤り

まず営業職の最大の矛盾と憤りは、自分で決め自分の意志で行動できる範囲はそれほど無いのに、数字が悪ければ自分に課題や問題点があると決めつけられ、数字の全責任を負わなければならないことではないでしょうか

 

 

営業職の大半が会社員であり、上司や組織の指示やルールをある程度受け入れなければならない以上、営業職は結果のすべてを自身の責任だと思ってはなりません。

 

 

 

それは『悪い結果の原因を自分以外に求めてはならない』、『他責にするのは逃げ』という根拠のない精神論であり、無意味な職業倫理であり、その行為そのものが実はこれ以上ない問題の先送りです。

 

 

冒頭に述べたように、仮に自分の行動の4割を上司の指示や会社のルールで決められているのなら、結果の責任の4割はそれを課した会社や上司側にあります。

 

自身で行動の6割を決めることが出来るのなら、6割分の責任を感じるのが妥当です。

 

 

 

 

こうしたことは少し考えれば当然の事です。

 

 

シンプルに責任と権限を一致させようという仕事の大原則を当てはめたに過ぎません。

しかし、(恐らくあらゆる仕事においてそうですが)営業の世界ではこのような仕組みや考え方はあまり存在していません。

 

 

誤解のないよう言っておきますが、勿論、私のこの考えは会社や上司を攻撃したい訳ではありませんし、攻撃の材料や動機でもありません。

このことは最後までお読みいただければ、よく分かるはずです。

 

 

営業の世界の現実を真正面から見つめ、その上で営業職の皆様がそれぞれの感覚で営業という仕事を理解し、その真の面白さを実感するために必要な認識であると考えています。

 

 

営業職が、誤った認識や誤った情報が溢れている中、或いはそうした認識で出された指示で仕事に取り組まなければならない以上、必要以上に自身の責任を感じる必要などありませんし、そう感じるべきではありません。

 

責任を感じるのは自身で決めた行動の結果だけでよいとすることで、自身の改善点を正確に抽出し、また営業職の成長と活動の唯一無二のエンジンであるモチベーションを守りたいと考えています。

 

 

 

 

 

少し角度を変えて考えてみてください。

もし売上不振に苦しむ営業職がいたら、その責任の所在の何割かは
誤ったイメージを植え付けている人々であり、
(大半の営業本の著者やSNSの発信者)
社内で営業職を誤った認識で指導する側、間違った指示を出す側(管理職)にあります。

 

 

そう考えれば、営業職側はむしろ被害者なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

【営業職は被害者かもしれない。】

特に経営者や管理職はそう捉えるべきだと思います。

 

 

ここは非常に重大であり、営業という仕事を考える上で欠かすことのできない視点です。

 

 

一方で、特に企業側でスッポリと抜け落ちている視点です。

 

 

『さすがに営業職に肩入れし過ぎじゃないか?』と思われるかもしれませんが、私がこのように考えるには理由があります。

 

 

 

それは営業という仕事においては、常識とされている部分、当然の事だと思われている部分の大半が事実に反しているからです。

少し挙げてみましょう。
プレゼン能力が必要、
営業テクニックがモノを言う、
コミュニケーション能力が必須、
営業は高度な仕事、
ニーズの聞き出しで勝負が決まる、
人間力がモノを言う、

 

 

これらは全て事実と異なります。

 

 

 

当然、大半の管理職側もこうしたことを真実だと信じ、こうした事を部下に教え続けます。
いくら営業職が自分の意志のある大人であっても、これほど間違いだらけの情報が溢れている中で、その間違いに気づけという方が酷だと思います。

 

こうした背景から、私は【営業職は被害者なのかもしれない】と思っています。

 

また、営業職に一定の強制力を持つ会社や管理職もそういう意識を持って、営業職を労わって(いたわって)欲しいと思います。

 

 

 

 

例外のケースもあります

因みに、もし結果が出ない営業職に自分自身の問題や責任があるとすれば、上司や組織からほぼ完全な自由を保障されている場合です。

 

しかし、営業職に「自由にやっていい」という組織がどれほどあるでしょうか?

恐らくほとんどありません。

 

勿論、利益を追求する企業が価格や条件面での制限を課すのは当然です。

 

 

しかし、営業職側にプロセスの自由、方法や手段の自由がどれほどあるでしょうか?

 

たとえ、『自由にやっていい』と言われていたとしても、一方で会社の膨大な施策の実行を課せられていれば自由に活動できる時間やエネルギーは確保できないのではないでしょうか?

 

 

また、経営者や管理職が自由にやらせていると思い込んでいても、営業職はそう感じていないケースもかなりあります。

 

基準はあくまで営業職が感じる自由がどれほどあるか、もっと言うなら営業職が感じる不自由や制限がどれだけ少ないかです。

 

 

 

 

 

 

営業職の現実

私もサラリーマン時代を経験していますのでよく分かりますが、営業職の時間やエネルギーは会社の課したルールを守る、決められたモノ(日報・報告書類)を提出する、会社全体で決めた施策をやる、最悪の場合これらをやっているように見せるというパフォーマンスをすることで相当浪費されています。

 

そして、その多くは誤った認識に満ちたモノであり、営業職の為、或いは数字のためにあるルールや提出物などほぼ皆無です。

 

 

会社の中にある特定の部署のメンツや存在意義の為にあるルールや施策なども珍しくありません。

 

このように考えてみると、営業職は組織や管理職から二重の足枷をされていると言えます。

 

 

一つは、誤った認識をもった管理職から誤った指導を受ける、

 

 

二つ目は、自分自身がやりたいことよりも、その指導や管理に従ってその指示を遂行する事に時間とエネルギーを奪われる、です。

 

 

こうした傾向は結果が出ない営業職側にむしろ顕著に表れます。

 

 

結果を出している営業職が比較的自由にやらせてもらえる半面、結果が出ない営業職には上司から改善という名の様々な制限が課せられる傾向にあります。

 

 

 

 

 

結果が出ない営業職にこそ、自由を!!

私が思うに、結果が出ない営業職ほど自由な時間が必要不可欠ですし、ゆっくりと自身の行動やお客様の反応を振り返ることが必要です。

 

 

無意味な提出物やルーチンワークが増えるようだと、そうした時間すら取ることが出来なくなったり、心身共に余裕がないため、単純なミスが生まれたり、お客様の変化に気付かないなどといったことが起きます。

 

 

こうした流れから当然の結果として、更なる悪循環に陥ります。

 

 

 

 

 

理想の組織とは

理想は結果に関わらず、上司は部下に極力自由にやらせ、部下がアドバイスを求めてきた時だけ全力でサポートする、という形です。

 

 

また営業職側がいつでも助けを求められるように上司側から率先してコミュニケーションを取っておくことです。

 

 

 

 

 

私が最も尊敬する管理職、ダルマ氏

(余談ですが、私の仲間にダルマと呼ばれる営業管理職の方がいます。

 

 

その方は真に理想の管理職だと思います。

 

 

私が尊敬している数少ない方です。

 

 

部下と部下のやる気を大切にし、愛情と情熱を傾け、部下の成長や昇格を心から願い、何よりそうした仕事の面白さを自らが知り尽くしています。

 

 

そして、こうした方ほど、自身のやり方や方針を部下に押し付けることに大変慎重です。
公平に言えば、こうした管理職も確かにいるのです。)

 

 

 

このように指摘すると「そんなことをすると組織が機能しなくなる」と思われる方がいるかもしれませんが、誤った指導をする管理職が多い中で誤った改善策を押し付けることが厳しさであり、組織の規律に繋がるのでしょうか?

 

 

それが会社の売上や利益を増やすことに繋がるのでしょうか?

それらの多くは完全に逆効果だと思います。

 

 

 

 

また、結果に関わらず、営業職に自由にやらせることで初めて、営業職自身が自分の意志で前向きかつ冷静に自身の結果や行動を反省できます。

 

その上で、自分の判断で改善策を考える方がはるかに良いパフォーマンスを生むはずです。

 

 

プロセスの自由は与えつつ、結果についてのみ厳正に審査・指摘し、それについてだけシビアに評価に差をつければいいのではないでしょうか?

 

 

 

こうしたやり方が最も公平で、部下の不満やモチベーションの低下を最も最小化できる形だと私は思っています。

 

 

繰り返しますが、私がこのように言うのは、会社や組織を批判したい訳ではありませんし、会社の中で営業職と管理職の対立を煽りたいのでは勿論ありません。

 

 

 

これらが営業職が結果の全てを自身の責任としてはならない理由です。

皆様はどのように感じましたか?

 

 

 

 

多くの営業職の方に読んで頂きたいと思っていますので、「共感した!」「目から鱗が落ちた!」という方はどのような形でも構いませんので、いいね、シェアをお願いいたします。