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目から鱗のハウツー営業【相談する相手を間違っていませんか?】

2022.08.26
目から鱗のハウツー営業【相談する相手を間違っていませんか?】

質問1⃣

 

 

突然ですが、質問です。

 

『あなたがA社という攻略の難しい新規顧客を担当しているとしましょう。
大口でどうしても攻略したい。
でも直属の上司に相談してもこれといった打開策は出てこない。
そんな時あなたは誰に相談しますか?』

 

 

 

実は大半が間違っている相談する相手

 

 

恐らく、多くの方は営業成績の良い(売上・獲得契約数が多い)営業職に相談するのではないでしょうか?

 

率直に申し上げて、これは誤りです。

 

 

今回は何故それが誤りか、そして多くの営業職が何故この誤りに気付いていないのか、その誤りによってどんなデメリットがあるのか、ではどのようにすればいいのかを全て解説します。

この問題は意外と根深い問題です。

 

しかし、このことをきちんと理解すれば、営業というその時その時の正解が見えにくい世界において、どんな時に誰の意見に耳を傾ければいいのか、また逆に誰の意見は聞くべきではないのかが少し分かります。

 

それによって、どんな時に他人に助言を求め、どんな時には自分で解決するしかないのかというラインを自分の中で明確に引くことが出来ます。

 

 

 

 

質問2⃣

 

 

 

では、二つ目の質問です。
あなたは【営業力】とはどのようなモノだと思っていますか?

多くの売上や契約を獲得する力でしょうか?

 

それ以外にも、お客様を説得する力。提案力。新規開拓能力。

 

或いはコミュニケーション能力、人間力。

 

 

このようなモノが挙げられるのではないでしょうか?

 

もっと他のモノを挙げる方がいても不思議ではありません。

 

勿論このどれが間違いという訳ではありません。

 

 

しかし、問題なのは、【営業力】という割と使われる一般的な単語に対して、これだけ人によって連想するモノが違うということです。

 

何故なら、本来定義が異なれば目指すモノも必要なモノも異なるのに、多くの営業職は区別せずに、誰かのやり方を真似したり助言を受け入れたりしているからです。

 

 

 

 

定義の重要性

 

 

これは営業に限らずあらゆる仕事における大きな課題です。

言葉の定義さえすればこうしたことは最小限に抑えることが可能なのに、定義が曖昧な言葉をそれぞれが異なる意味合いで使うことで解決が遠のいたり、議論や話し合いがどこまでも噛み合わないという現象を生んでいると思います。

仮に、営業力=多くの売上や契約を獲得する力
とします。(この意味であるとしている訳ではありません)

 

しかし、冒頭の質問のように、ある特定の一社を攻略したい場合、営業成績の良い(売上・獲得契約数が多い)営業職の助言通りの行動をしても確率はほとんど変わらないと思います。

 

 

恐らく、営業成績の良い(売上・獲得契約数が多い)営業職にこうした助言を求め、言われた通りにやっても状況がまるで好転しなかったなどという経験は誰にでもあるはずです。

 

 

何故なら、営業の数字≒アプローチ量であり、
営業成績が良い営業職とそうでない営業職との最も顕著な違いはアプローチ量であり、営業成績が良い営業職がある特定の一社を攻略することに長けているとは限らないからです。

 

 

 

 

この場合の相談すべき相手

 

 

もしある特定の一社を攻略する知恵を借りたいのなら、売上高や獲得契約数に関係なく、難しい顧客を攻略するのが得意な営業職に相談した方が確率は上がります。

 

もしそうした営業職が周りにいないなら、誰にも相談しない方が合理的です。

 

(他人の助言を受け入れて攻略が叶わないよりは、自力で考え取り組んで攻略できなかったという経験を積み、自身で振り返る方が営業職としてははるかにマシだからです。)

 

 

何故なら、元々そうした事が得意でない営業職にあなたの一方的な見方と情報だけで効果的な助言を得られる可能性は低く、ミスリードされるリスクの方が高いからです。

 

 

勿論このようにあなたの一方的な見方と情報しかないという条件は、相談する相手が難しい顧客を攻略するのが得意な営業職であっても同様です。

 

ただ、こうした事が得意な営業職にはあなたを含めて他の営業職が気づかない視点やアイデアを持っているので、リスクとメリットを天秤にかければ、メリットの方が大きく出るかもしれないということです。

 

 

 

 

余談ですが

 

 

 

売上自体はそう多くはないが、誰も攻略できない顧客を比較的高い確率で攻略する営業職がいたら、この営業職を会社や上司はどう評価すべきなのでしょうか?

 

恐らく現実として、会社はそれほど評価しないと思います。

 

 

大半の企業は攻略の難易度よりも、基本的には売上高・契約数でしか営業職を評価しないからです。

 

ビジネスはゲームでありません。負けることが出来ない勝負である以上、当然の事であり、悪い事だとは思いません。

 

ただし、繰り返しますが、冒頭のような場合はこのような営業職に相談した方が攻略のヒントになる可能性は高いということです。

本来は、企業はこうした営業職を「売上高が少ないから評価しない」と決めつけるのではなく、上手く活用する方法を考えた方が本来は賢いと思います。

 

 

また、現実には二つの条件を満たしている営業職も存在するでしょうし、その場合は遠慮なく相談すると良いと思います。

 

ある特定のお客様を攻略することと、売上や契約を数多く獲得することは全くの別のことであり、それぞれ異なる能力・特性だということを理解していればいいということです。

 

 

 

 

もう少し噛み砕いて言いましょう。

 

 

世の中には以下の2種類の優秀な営業職がいるということです。

 

❶多くの売上高、契約数を獲得する営業職
❷特定の顧客を攻略するのが得意な営業職

 

この両者はどんな業界のどんな会社にも必ず存在します。
そして、営業職は学ぶ対象として、目指すべき対象として、助言を求める対象として、この両者をきちんと区別し使い分け、様々な場面で活用した方がメリットは大きいと思います。

 

※因みに、私が基本的に提案するのは❶になることです。

今後、❷になることも少しずつ解説していく予定です。

単純に一つのお客様を攻略する能力が高ければ、比例して売上や契約も増えるとは限りません

 

何故なら、繰り返しますが、売上に最も影響を与えるのはお客様へのアプローチ量であり、全体としての売上高と比例するのは大まかに言えば全てのお客様へのアプローチ量の総計だからです。

 

 

もっと言うなら、難しい顧客を攻略するのが得意な営業職はそれだけ時間とエネルギーを一人、1社の攻略に投じることに躊躇しませんが、全体の数字を追及する営業職はそうしたことはしない、という側面もあります。

 

 

 

 

最も効果的な方法

 

 

 

ですから、その営業職のトータルの売上高だけでその営業職から学ぶべきこと、真似すべきこと、得るモノがどれほどあるかどうかを決めつけるのは間違いであり、状況によって助言を求める相手を使い分けるのが最も効果的なやり方です

 

事実として、営業成績が良い(売上高・獲得契約が多い)が特に学ぶべきものがない営業職もたくさんいます。

 

 

売上≒アプローチ量なので、地道にアプローチ量を増やしていけば売上は自然と増えます。
出来るだけ多くのお客様に小まめににメール、電話、訪問を地道に繰り返し、お客様と人間関係を構築し、情報を獲得し、対応できることを提案する、この平凡に見える何でもない積み上げを日々根気強く続けることが売上を増やす最も簡単で効果的な方法です。

 

 

しかし、こうした事を度外視して、
売上が多い人=一つの顧客を攻略することにも長けた人
などとすれば多くの間違いを起こすことになると思います。

 

 

 

 

例えるなら、

 

 

これは野球で言えば、ヒットを量産するバッターとホームランバッターのような関係だと思ってください。

 

 

売上高、契約数が多い営業職:ヒットを量産するバッター
特定の顧客を攻略するのが得意な営業職:ホームランバッター

 

 

同じくヒットを生み出す力に見えても(ホームランもヒットの一種)、ヒットをたくさん打てる人が必ずホームランも量産できる訳ではありません。

 

逆にヒット数はそれほど多くないのに、ホームラン数は上位に来るバッターも一定数いますよね。

 

両者は実は全く異なる能力であるということです。

 

勿論共通する点もあるでしょうし、ヒットもホームランも量産できるバッターはいます。

しかし、全く同じようなモノだと位置づければ自分の目指すべき営業職(バッター)に近付くことは出来ませんし、現在の自分がクリアしたい課題や問題を解決することはできず、むしろ遠のくだけであるということです。

 

 

 

ホームランを打ちたいのに、ヒット数は多いがほとんどホームランを打てないバッターにアドバイスを求めてはいけません。

この場合は、ヒット数に関係なく、ホームランを打つことが得意なバッターに聞いた方がいいのではないでしょうか?

 

 

 

まとめ

 

 

 

世の中には2種類の優秀な営業職が存在する。
❶多くの売上高、契約数を獲得する営業職
❷特定の顧客を攻略するのが得意な営業職
常に❶=❷ではない。❶→❷とは限らない。

 

 

 

攻略の難しい顧客をどうしても攻略したいときは、売上をたくさん稼いでいる人に聞くより、特定の顧客を攻略するのが得意な営業職にアドバイスを求めるべき。

 

普段から2種類の優秀な営業職が存在すると認識して、あらゆる営業職と情報交換や意見交換をするのはおススメです。

 

 

 

最後に私からの提案

 

 

ここからは営業という仕事を愛する私からの提案ですが、

 

もし
営業力:売上や契約を数多く獲得する力

と定義するなら
それとは別に
〇〇力:ある特定のお客様を攻略する力
と別の単語を本来は造語すべきではないでしょうか?