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顧客を知り、己を知らば百戦危うからず

2019.08.19
顧客を知り、己を知らば百戦危うからず

今日から仕事という人も多いだろう。

夏休み明けでなかなかテンションが上がらない方のために今日は頭の体操だ。
私は日々あらゆる業種のあらゆる立場の方とどうしたら営業チームのパフォーマンスが上がるのかを議論している。
その中でいつも議論になるのは、どうやったら営業マンそれぞれが顧客と良好な関係を構築できるのかということだ。

話が一旦飛ぶようで、旋回してこのテーマに戻ってくるので

頭の体操を始めていただきたい。

例えば、名古屋駅構内にある名古屋名物天むすの専門店があったとしよう。仮にW店とする。
W店店主は他のどの店のラインナップ・価格・店内の様子を気にするべきか?
1、 駅構内の他の天むす店
2、 駅構内のコンビニ
3、 駅構内の駅弁販売店
4、 駅近辺の天むす専門店

答えは全部である。
これは簡単な話で、顧客(買う人)の立場になって考えれば分かることだ。天むすが大好きで天むす以外に食べたくない客しか相手にしないのであれば、1と4しか意識する必要はないだろう。しかし、天むすに特段の思い入れがなく、おにぎりの延長くらいにしか思っていない人だって一定数いるはずだ。すると、おにぎりを置いている2もライバルという事になるだろうし、他県から遊びに来た人が「名古屋駅から地元に帰る際に、お昼は名古屋にちなんだものを食べたい」と考えたとしたら駅弁だって十分ライバルになり得るし、そうしたシチュエーションも珍しくはないだろう。

そんなの当たり前じゃないかと思っている人が大半だろうが、いざこれが営業の現場になると、こうした簡単なことが営業活動に反映されていない人が多い。
いざ自分が営業マンとして今週の予定を立てている時に、同じような規模の同業他社しか意識していないなんてことはないだろうか?

あなたの会社が設定したライバル企業(顧客にとって何の意味もない)への意識に偏った営業戦略を考えてはいないか?

あなたから見たライバルと、顧客から見たライバルは違うかもしれないし、自分たちが勝手にライバルと設定しカテゴライズしたものがどの顧客にも当てはまる合理的根拠はない。
或いは、取扱商品が全く重ならない保険の営業マンが顧客の心をつかみ、いつも顧客の時間を独占し自分の話を聞いてくれる時間が明らかに減った場合はどうだろう。この保険の営業マンはお客様と話す時間を奪い合うという意味では完全なライバルといえるし、この時点で自分の営業活動における重大な脅威である。同業他社よりも良好な関係を築いてさえいれば、自社の売上が必ず増えるわけではないメカニズムがこうしたところにある。

これが営業の世界の現実であり、面白さ・醍醐味ともいえると私は思う。
要は顧客の立場に立って考え、顧客と自分たち(自分とそのほかの人々)の関係を客観的に、そして俯瞰して見なければならないということなのだ。

 

例えばであるが、「私のライバルって誰だと思います?」と顧客に聞いてみるのも一つのやり方かもしれない。その答えを拾い集めると、自分が思っていた自分が顧客から見た自分といかにかけ離れているかを知り打ちのめされるだろう。

でもそれでもいい。恥をかいてもいい。

こうしたやり方は一例だが、大事なことはあなたの一時のプライドを満たすことではなく、顧客からみた自分の姿を知ることだ。

それがあなたが顧客を今よりも知り、自分をもっと知ってもらうことにつながるはずだ。

そして、それが顧客と良好な関係を構築する第一歩になる

急がば回れ、まさに「顧客を知り、己を知らば百戦危うからず」なのだ。