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企業はコロナ後の社会にどう向き合うのか。

2020.05.08
企業はコロナ後の社会にどう向き合うのか。

ここ最近、色んなビジネスパーソン、営業職、経営者の皆さんと話した。やはり話題はコロナ禍における現状と今後についての話がほとんどである。ほとんどの業界では厳しいようだが、景気がいい会社も実は意外にある。

今後どうしたらいい?どう方向転換したらいいのか?という方向転換が前提の相談がほとんどである。「私は世の中がこう変わるだろうからという理由だけで会社やお店全体の方針を変えるのはそれなりにリスクがありますよ」と必ず一言添えてからその会社やお店に対してアドバイスをするようにしている。何故なら、メディアや専門家が予想する「コロナ後の社会」というのは必ずそうなるとは限らないからである。

 

 

結論から言おう、今後社会がどのように変容していくかなど誰にも分からない。分かるはずがない。何故なら、感染症に強い社会を作るためにこういう社会になるべきだということと、人々がそれに納得しその通り行動するということは、全くの別問題だからである。緩やかに進むかもしれないし、急速に進むかもしれないし、全く進まないかもしれないし、進んでやっぱり戻るかもしれない。それ以上でもそれ以下でもない。メディアや専門家の意見や予想がもっともらしく聞こえるのは、彼らがもっともらしいことを言う事の専門家だからである。間違っても、将来を予想できる専門家ではないということを理解しておく必要があるだろう。余談だが、彼らが予想したモノがどのくらいの確率で当たるかは実は簡単に予測できる。10年前にその方がした予想がその後どのくらい当たっているかを見ればいいのである。ほとんどは当たっていないだろう。未来予測というのはそのくらい難しいとも言えるし、予想の結果には責任を持っていないし求められてもいない彼らに当たる予想を求めても仕方ないとも言える。今オンラインセミナーなどで盛んに言われているようなポストコロナのビジネスとは、結果に何の責任も負わない以上それと同様のものであると私は思う。

 

一つ、例を挙げよう。iPhoneが登場したのは2007年、日本に登場したのは2008年の7月である。あなたはその何年後にスマホを使い始めましたか?今スマホをお持ちの方はガラケーに戻ることなど考えられないだろうし、逆に未だにガラケーを使っている人がいることが不思議かもしれないが、実はスマホの普及率がガラケーを超えたのは2013年の9月である。これほど便利なスマホですらガラケーを超えるのに5年以上の歳月を要しているのである。つまり便利で良いものだから社会が推進を予想する、そして推進するということが即座に人々の生活に直結しないという何より分かりやすい例ではないだろうか。多くの方が抱いている誤解だと思うが、社会はいつでも便利で合理的な方向に流れていく訳ではない。我々は過去10年に何が起きたという結果を知っている。だから、結果が全て必然であり、起こるべくして起きたことだと錯覚しているが、実際きちんと調べてみると推進する側があらゆる条件や障害をクリアして少しずつ努力を重ねて今日の結果があるというモノがほとんどである。
(簡略化すると、ほぼ例外なくこのようなルートを描いているのではないだろうか。
誰かがそのシステムや商品の便利さを発見する
⇒少しずつそういう人が増える
⇒使う人が一定数を超える
⇒使わないことで不都合・不利益を感じる人が出てくる
⇒そういう人が増える
⇒それを使うことが普通になる。
おそらくスマホもそういう道筋を辿ったはずである。)

 

 

勿論、オンラインでやることの便利さは減ることはない。このコロナショックによってオンラインの便利さを初めて或いは改めて知った人も多かったのではないだろうか。私もその一人である。事実、オンラインで相談したいという新規顧客は増えた。オンラインの相談へのハードルが下がることは時間の面でもコストの面でも大きなメリットである。訪問し直接会わなくて済む、ということは顧客にとっても私にとっても、時間と費用という二つのコストを大きく削減できる、大変なメリットである。私のように個人で運営している経営者はこれ以上ないメリットかもしれない。また、これまでは地方からの相談であれば「とりあえずは来て頂いて話をしてからでないと・・」と躊躇していた顧客が「オンラインからスタートでもいいですか?」と堂々と主張できるようになった事も大きい。これもお互いにとって大きなメリットである。結果としては沖縄でも広島でも北海道でも同じサービスが可能になったということだ。私達、ビジネスパーソンは勿論顧客の意見や感想を全て完全に把握することなどできない。新規顧客や潜在的顧客(今後顧客になるかもしれない層)などを含めればもっと分からない。しかし、ハードルが下がれば新規顧客の数は必ず増える。それが価格以外のハードルならばほぼ全て良いことである。
一方で、では私はほとんど移動せずに済むのかというと全くそうではない。もともと私の相談や講習を対面して聞いていた顧客は「川端さんとはやっぱり会って話したい、あの講習は直接聞かないと勿体ない」という方がほとんどである。また、初めてオンラインで私に相談された方の中には「川端さん、コロナが落ち着いたらやっぱり事務所に改めて来ていただきたいです。今の話を今度はお会いして詳しく聞かせて欲しいです。」という方も事実いる。これは私だけの特殊な例だろうか。私はビジネスの世界では十分起こりうることだと思っている。

 

 

だからこそ、社会の変化に合わせて経営方針を変更することを前提とするのではなく、自分たちの顧客はこれまでとこれから、自分たちにどういうことを求めているのかを改めて顧客に聞いてみることの方がはるかに重要で合理的ではないだろうか。考え様によっては、こういう時でもなければなかなか聞けない問い、「あなたは何故ウチから商品を買ってくれるのですか(うちの店に来てくれているのですか)?」を顧客に聞く千載一遇のチャンスが来たと思うくらいでちょうどいいのではないだろうか。(このポイントが完全に抜け落ちている経営者の方は残念ながら非常に多い。売上が急激に下がる中では十分に理解できることでもある。だが、それが最重要課題。ここを押さえた上で、これからの変化に対してどう対応するか、出来ることなら変化に対して自分たちはこういうサービスを提供しますと提案する方がいいだろう。その方が顧客はあなたの会社やお店に魅力を感じるはずである。)
また、社会の変化に沿って会社の在り方を変えることによって現在の顧客を一定数失うことも当然あることも忘れてはならない。(私に当てはめるなら、オンラインの方がコストもかからないし時代に即していると判断し、相談はオンラインを基本スタンスにすると定めるということだ。これによって、直接会って相談に乗って欲しいと思っていた顧客は離れていくだろう。)それを差し引いて方針を変えるならまだしも経営者の多くは現状の厳しさから、現在の顧客の声を聞くことなく方針転換があたかも必須のように頭を悩ませている。それではいけないのではないだろうか。

 

 

 

繰り返すが、予想は所詮予想である。実際にはどうなるかなどに誰も責任も持ってくれないし、取りもしない。少なくとも、そんな予想よりはご自分の顧客の声を聞き、自分たちの何が顧客に求められ評価されているのか、そしてそれが今後どう変わるかを顧客に聞く方ははるかに合理的である。こうしたことはよく考えればそれほど難しいことではない。しかし、こうした混乱や売り上げダウンが続く中で、なかなか冷静に状況を分析すると言うのは難しいことでもある。

 

 

サトミ営業相談所は私を必要としてくれる顧客全てとこうしたことを一緒になって考える、日本で最も優しい「営業の専門家」なのである。