中小企業の経営者の皆さん、『ウチは積極的に営業活動しても意味がないんだ』『営業するような業界じゃないんだ』そう思ってはいませんか?
でも売上は下がっていて、ジリ貧であれば何らかのPR活動は必要ではないでしょうか?
営業は形にこだわる必要はない
これは私の持論ですが、
【営業=お客様や売上を増やす努力や工夫全て】であり、
皆さんがイメージするスーツを着た営業職がお客様を訪問しプレゼンや商品のPRをするという形はあくまでその一つの形にすぎません。
お客様と昼食を共にするのも、twitterに投稿するのも、お客様や売上を増やすためと意識して行えば全て営業活動です。
営業は難しく考えなくていい
その上でお伝えします。
いかなる営業活動も所詮は人間同士の営みであり、そうであるが故にどこまでも互いの好き・嫌いという感情、営業職を含めた売り手とお客様との人間関係によって大勢が決まってしまうモノであるという事です。
これは人と人が直接コミュニケーションを取らないネットショップのようなビジネスモデルであっても例外ではないと思います。
お客様は構築されたシステムの便利さやきめ細かなサービスからそれを作った人に好感を抱き、そのシステムをひいきに使っているとも言えると思います。
取扱っている商品やサービスがいかに割安で便利なモノでも、結果が伴わないのはこうした本質が抜け落ちているからです。
ウチには営業職はいないんだ・・
では、『ウチは小規模で専属の営業職なんていない』という中小企業はどうすればいいのでしょうか?
勿論その経営者も『最近売上が落ちてきた。何とか売上を挽回しなければまずい』そんな焦りにも似た思いを抱いているはずです。
でもPRを担当する営業職はいないし、雇う余裕もない。
経営者自らが営業するしかないけど、どこから手を付けていいか分からない。
自分で営業しても売上が上がるとは思えない。
どうせ無駄だろう。
このように行き着いて、そこから時間だけが経過している。
そうした企業は数多くあると思います。
では、営業活動、PR活動を諦めるしかないのでしょうか?
そんなことはありません。
そこで今回はそのような企業・経営者が営業活動をどのように考え、具体的に何をすればいいのかを何回かに分けて一つ一つ解説します。
(本来は皆さんのそれぞれ状況や業界の流れを聞き取り、状況を把握した上で助言すべきですが、今回はあくまでどの業界にもどの企業にもある程度当てはまる内容に留めて解説します)
ここだけは押さえておくべきポイント
まず理解して頂きたい最初にして最大のポイントは、営業活動は膨大な無駄・莫大な無意味な行動によって構成されているという現実を認識することです。
膨大な無駄を積み重ねて初めて数少ないヒットを生み出せるとも言えますし、逆に一定量をこなせば少ないながらも確実にヒットが生まれるとも言えます。
(これは一見要領がいい、効率的に見える営業職にも例外なく当てはまることです。その活動の大半は無駄・無意味であり、多くの努力や工夫は徒労に終わっています。)
私は仕事上様々な規模の企業やお店の経営者と話をする機会がありますが、この事を理解している方は実はほとんどいません。
社員や私のような外部のアドバイザーが売上獲得のために様々な提案をすると、「それ、本当に効果があるのかな」「効果が出るのに時間がかかりそうですね」などとまず否定的に考えてしまうという事です。
勿論、誰しも少ない手間、短い時間で確実に効果を上げたいのは当然です。
しかし、これさえやればすぐに効果が絶対出るという方法はほとんどありません。
(多くの場合は時間をかけ、紆余曲折を経ながら、何度も改善を重ね、ようやく結果が少しづつ芽生えていきます。逆に何もしなければ、状況は悪化していく可能性の方が高いです。)
何故営業活動はすぐに結果が出ないのか?
それは、まずお客様はあくまで私達売り手の都合で何かを決定することなどないからです。常にお客様自身の都合とタイミングであらゆることを決定しています。
次に、お客様の大半は基本的に現状に満足しています。他社を採用している、もしくは私たちが扱っている商品やサービスへの需要自体がない、そんなところからスタートするはずです。
ですから、基本的に、即座に結果につながるはずがないのです。
最後に、営業活動の対象であるお客様は人間であり、人間であるがゆえにお客様の気持ちを正確に把握するのは至難の業です。
その上、お客様には当然感情やその起伏があり、それがその時々の様々な変数によって細かく予測不能な変化をします。
(相手が感情の変化や起伏のない機械でしたら、このように翻弄されることも減る代わりに、選ばれる可能性もグッと減り、営業という仕事の可能性も面白さもなくなると思います。)
こうした理由から、営業活動は実行した後に冷静に振り返ってみると、その大半は無駄・無意味だったと感じることになります。
では何故それでも営業活動をすべきなのか?
それはお客様の変化と他社の存在です。
営業活動を展開し、お客様とコミュニケーションを取れば取るほど、お客様のご意見やご要望を聞くことができます。
逆にそれをしない期間が続くと、お客様の御要望や自社への評価の変化に気付かず「今まで懇意にしてくれていたお客様からの注文が突然来なくなった」という事になります。
営業活動を行い、お客様とコミュニケーションを取れば取るほど、こうしたケースを減らすことに繋がります。
営業活動はお客様を獲得する攻撃であると同時に、現在のお客様のご要望を聞くことで売上を守る防御でもあるという事です。
また、私たちが即効性のない営業活動はしたくないと考えていれば、他社もそう考えるとは限りません。
むしろ、こちらがそういうポジションを取れば取るほど、こちらのシェアを奪いやすいと考え、果敢に攻め込んでくる動機を他社に与えることになります。
こうした理由から、現在の売上の好不調に関わらず、本来は何らかの営業活動を出来るだけ行うべきだと思います。
しかし、経営者が「あまり手間と時間をかけずに効果を確実に出せる営業活動」という条件をつけることで、何も具体的な行動も取れないまま時間が経過してしまうというのはよくあることです
しかし、これは非常に危険なことです。
ライバル企業もお客様の状況も考えも、或いはお客様の担当者も目まぐるしく変わっていくのに、自社は何も活動も変化もしていないという二重の意味で危険な行為であるからです。
営業活動のほとんどは無意味であり、無駄にしか見えない。
でも何もしないともっと厳しくなる。
多少でも行動すれば、一定数の成果は生まれるし、情報も集まってくる。
このように考えてください。
実は真っ先にやるべきこと
その上で、
まずは取るべき具体的行動を挙げます。
それは自社の社員、アルバイト・パートなど全てのスタッフに率直に意見を聞くことです。
今のお客様が自社をどう見ているのか、
最近おかしい点、
こんな要望が多い、
こんなサービスを始めたらいいんじゃないか?
このサービスは実はお客様の評判が悪い、
どんな細かなことでも耳を傾けて下さい。
恐らく営業活動のヒントや改善点の答えはこのスタッフが感じていることや違和感の中に隠されています。
「社長には言えないけどさ・・・」と前置きされたお客様の不満の声。
最近、態度がコロッと変わったお客様の担当者。
こうした情報を実は最も持っているのはスタッフです。
(こうした事はお店にも言えることです。
そういう意味で何でも報告できる、進言できる企業・組織と、そんな事言っちゃまずい、言うメリットがないという組織ではとてつもない差が生まれるのは当然のことです。)
社長が気付いていないだけで、売上が不調に陥る兆候はかなり前から出ていて、それに真っ先に気付くのは社長ではなく、社員であり、スタッフです。
でもそうしたスタッフはもともと営業でもなければ会社の売上に特段強い関心がある訳でもありません。
社長が「売上やお客様に関わる情報を出来るだけ教えて欲しい」と協力を要請すべきだと思います。
おそらく社長が一人で悩んでいたことの一つくらいはスタッフの声に耳を傾けるという行動で解決の糸口は見えます。
まずはここからです。
自分がほとんどの事を決め、自身で営業も全て行っていると自負している経営者は特にここからやってください。
スタッフも必要とされ、意見を求められて悪い気はしないはずです。
すでにスタッフの意見に耳を傾けているという方も、今一度スタッフに協力を要請してください。
これは何度言っても構いません。
営業活動にも通じることですが、大事なことは何度でも伝えてください。
何度でも伝える事で、そのことの大切さや社長の真剣さが伝わるからです。
まとめ
まずは、営業とは無駄と無意味によって構成されていると理解する事。
次に他のスタッフに意見や情報を求めること。
ここから始めましょう!