突然ですが、私は営業職の皆様に[営業という仕事の真の面白さ]を伝えたいと思っています。
前シリーズ【ここから始めよう!中小企業の営業活動】に引き続き、今回から【目から鱗のハウツー営業】というシリーズを始めます。
この連載では世の中の営業職の皆様に向けて、「営業という仕事」について「何をどのように考え、どのように行動すればいいのか?」を、一つずつ丁寧に解説していきたいと思います。
まずは簡単に自己紹介と何故このブログの連載に至ったのかという理由と経緯を説明します。
自己紹介
ご挨拶が遅れました。
サトミ営業相談所の川端と申します。
私は社会人になって以来、全て異なる業界への転職を重ねながら、ずっと営業という仕事に携わってきました。
一人の営業職として、そして営業部門のリーダーとして様々な経験をしてきました。
勿論、良い時ばかりではありません。苦しい思いをした時期も何度もあります。
そうして得た経験や知見を最大限活かしたいと思い、令和元年に起業しました。
サトミ営業相談所の誕生です。
(因みによく聞かれるので、予めお答えしておきますと、サトミは妻の名前です。
妻のように優しく大らかで、でもめちゃくちゃ頼りになる、そんな存在でありたいとの願いと決意を込めて、この屋号に決めました。
とても気に入っています。)
そのサトミ営業相談所が手掛けるのは、主に二つです。
① 企業の売上を増やすための具体的提案(何をどのようにしたら売上を増やせるのかというアドバイス)
② 営業職個人への助言、成長へのお手伝い
私自身起業するまで気付かなかったのですが、私のようなスタイルで仕事をしている方はあまりいないようです。
例えば、経営全般の助言をする経営コンサルタントは数多くいますし、営業職の人材育成を専門とした会社や営業コンサルのような方は数多くいます。
これらとは少し異なりますが、営業代行会社も数多くあります。
しかし、知り合った方の話によれば、私のように企業という組織と営業職という個人の両方に対して助言するというスタンスは珍しいそうです。
私は【会社の売上=営業職を含めた社員が生み出す売上の総和】と考えておりますので、両方に対してワンストップでフォローするのが最も効率的だろうと思って、このようなスタンスでやっております。
【目から鱗のハウツー営業】連載の理由と経緯
営業職に特化したブログを連載しようと思ったきっかけは一言で言うと、あまりにも【営業という仕事を誤解している方が多い】と思ったことです。
特にこの仕事をさせていただいて、営業という仕事を理解している方があまりにも少ないことに何度も愕然としました。
これほど情報が溢れている社会において、そしてそれを共有することが容易になった現代において、何故このような事態になっているのでしょうか?
それは営業という仕事について著書、或いはYouTubeやTwitterなどのSNSで発信されている
多くの情報の中で、事実に即し営業職の役に立つ情報がほとんどないからではないでしょうか?
そして、会社で営業という仕事を教える管理職自身が営業という仕事を理解していないからではないでしょうか?
だからこそ、営業職の誤解が解けないままになっていると考えるのが最も自然ではないでしょうか?
そこで私は思いました。
「じゃあ俺がやってみようかな」と。
これがこの連載を始めようと決意した理由と経緯です。
初回である今回はまず営業という仕事への最大の誤解を解くことから始めたいと思います。
今日のポイント❶営業は実にシンプルな仕事
まず皆さんにお聞きします。
「営業という仕事は難しい仕事だと思いますか?簡単な仕事だと思いますか?」
おそらくほとんどの方は「難しい仕事だ」と答えると思います。
そして、多くの方が高いスキルが必要な仕事だと思っているはずです。
簡単ではないが、難しくはない。
高いスキルなど必要ない
私は簡単ではないが、決して難しい仕事ではないと思います。
複雑かと言われれば、いや『むしろこれほどシンプル(単純・簡素)なモノはない』と思います。
そして、特に高いスキルなど必要ないと思っています。
もう少し正確に言うと、複雑に高度にしようと思えばいくらでも出来るが、元々シンプルな仕事なので、あえて難しく考える必要はない。
出来るだけシンプルに考え、出来るだけシンプルに行動する方が良いということです。
まとめますと、
【世間一般の認識(大半の営業職の認識)】
⇒営業:複雑で高度で難しい仕事(高いスキルが必要)
この点が最大の誤解だと思います。
事実⇒営業:元々シンプルな仕事(特にスキルは必要ない)
大事な点なので、繰返します。
営業とは実にシンプルな仕事です。
そして、その事に気付かず、営業という仕事は複雑で高度で難しい仕事である、それ故高いスキルが必要であると思っている方がほとんどでしょう。
では、何故シンプルだと私が考えているのか、複雑で高度なモノと捉える必要が無いのかを解説します。
ポイント❷営業の数字≒お客様へのアプローチ量
私が掲げる営業の公式は最も簡略化すればこれだけです。
営業職の数字≒アプローチ量(お客様への訪問、電話、メールの総量)
もう少し紐解くと
営業の数字≒それぞれのお客様との信頼関係、人間関係の総和であり、
それを最も形作るのはお客様へのアプローチ量
故に、営業の数字≒アプローチ量という事です。
現状認識が何故間違っていると言えるのか?
プレゼン能力や提案の方向性の正確さにクローズアップし、これらの優先順位を高く設定している方が大多数なのは私も承知しています。
しかし、これらは我々が思っているほど売上に影響力を持ち得ません。
何故なら、お客様との信頼関係、お客様のその営業職への好感度・心象への影響力に比べれば、相対的にその影響力はごくわずかだからです。
理由は簡単です。
お客様は人間である以上、気に入っている人間の話はよく聞いてくれるが、気に入らない人間の話には耳を傾けにくいからです。
プレゼン能力や提案の方向性が活きるのは、あくまでお客様が営業職の話に耳を傾けた時において、のみです。
大半の営業活動はその手前で頓挫しています。
順番と優先順位を間違えてはいけません。
また結果を出している営業職が高いプレゼン能力を誇っていることをその根拠にしていることも偏った見方です。
何故なら、プレゼン能力が低いのに結果を出す営業職も同等か、それ以上に存在するからです。
公平に見れば、プレゼン能力は営業職の売上に大きな影響力を持っていない、まして必須スキルなどではないという結論にしか成り得ないのではないでしょうか?
このように考えれば、話は決して上手くないのに結果を出す営業職が一定数存在するのも、逆にプレゼンや説明は上手なのに売上不振に苦しむ営業職が一定数存在するのも、至極当然の結果だということが分かると思います。
戦略の有効性がある場合は・・
例えば、Aという特定の顧客をどうしても攻略したいが攻略の糸口が見えない、こんな時はあるでしょう。
私の知識やノウハウから戦略面・戦術面でアドバイスし、最もお役に立てるのはこうした場合です。
(戦略:ある目的達成の為の長期的かつ総合的な方向性、及びシナリオ
戦術:その為の具体的な方法や手段)
しかし、営業職は複数の営業対象を持ち、どのお客様に対して営業活動をどの程度展開するのか、自身のエネルギーや時間をどう分配するのかは自身で決めることができます。
特定のお客様の攻略にこだわる必要が無いのであれば、「とにかく色んなお客様に数多くアプローチしてください」が最も無難で理に適ったアドバイスです。
ですから、私のアドバイスの多くはどのようにアプローチを増やせば最も効率的かという視点から始まります。
一人一人の営業職が全体として数字を上げるにはこうした認識で十分であり、この程度の認識で営業活動を行うのが最適だと思います。
会社には戦略が必要である理由
余談ですが・・
逆に会社全体としては営業戦略が必要である理由は、以下2点です。
Ⓐ同じ戦略に基づいて複数の営業職が動いた方がほぼ同条件下での成功事例・失敗事例を集めることが出来る。それらを共有した上で活動すれば相乗効果をもたらし、複数の営業職が動くメリットを最大限生かせるから。
Ⓑ会社全体で売上不振に陥った時に「何が悪かったのか?」を検証し、全体で一気に軌道修正を図ることが比較的容易だから
そして、同じ会社だから一貫性があった方が自然だろうというだけの話です。
本来は【今ある商品群で今ある条件で自由に売ってきてくれ】の方が個々の営業職としては数字を上げやすいでしょう。
会社としての一貫性と営業職一人一人の自由度・売りやすさを天秤にかけて、それぞれの企業が個々の営業職にどこまで自由を与え、どこまで一貫性を求めるかのバランスを決めればいいだけの話であり、個人の営業職には戦略など特に必要ありません。
あっても構いませんが、必要不可欠ではありません。
(私も稀に個人の営業職の方に「私の営業戦略を見直して欲しい」と言われますが、そういう方に助言するのは、営業戦略の存在自体が売上を増やす効果があるからではなく、そのように申し出る方にとっては一貫した営業戦略があった方がモチベーションを維持できると割り切っているからです。)
一人の営業職が複数のお客様を相手に営業活動を展開しているという事実から考えるに個人の営業職に戦略は不要です。
ある程度一つの意志を持ったお客様を相手にしている訳ではありませんので、こちらで戦略を立てる意味は特にないと思います。
お客様の状況の変化にも関わらず、戦略の遂行にこだわってしまうリスクの方が高いと思います。
逆に言えば、個人の営業職に戦略が必要になるのは特定の顧客をどう攻略するのかという点においてのみということになります。
このように一つ一つじっくり考えてみると、高度さや難解さ、高いスキルの代名詞である戦略設定やプレゼン能力というモノは営業職の売上にさほど影響力を持たない、シンプルにお客様へのアプローチを地道に重ね、人間関係や信頼関係を構築することの方がはるかに有効であるということが言えると思います。
今日のまとめ
❶営業は実にシンプルな仕事
❷営業の数字≒お客様との信頼関係、人間関係の総和≒お客様へのアプローチ量
お客様は人間であり、感情の一切を排除して購買活動を決めることなどない、という点から目をそらさなければ誰にでも到達できるシンプルな結論ではないでしょうか?
今回は営業という仕事をするにあたって、最も大切な事、
営業は複雑で高度な仕事ではない、高いスキルなど必要ない、シンプルな仕事であるとお伝えしました。
これが私の考える営業という仕事の真の姿であり、最も誤解されている点であり、改善の第一歩と考えます。
恐らくこれ以上大切なことはないと思いますので、真っ先にお伝えしておきます。
出来るだけ多くの営業職の方に読んで頂きたいと思っていますので、『なるほど!』と目から鱗が落ちた方は、いいね、フォロー、シェアをお願いいたします。