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目から鱗のハウツー営業【商談では己の感情を伝えよ】

2023.01.19
目から鱗のハウツー営業【商談では己の感情を伝えよ】

 

 

「営業職が商談において、お客様に伝えているモノは何だと思いますか?」

 

こんな質問を投げかけられたら、あなたはどう答えますか?
抽象的ですが、簡単な質問です。
 

 

 

恐らく多くの営業職は
・商品やサービス・契約の内容、
・契約や注文によって、お客様のベネフィットがどう生まれるのか?
・自社商品が他社より勝っている点、
こんなモノを挙げるのではないでしょうか?

 

要するに、契約に必要だと思われる情報を伝えているということです。

 

 

このどれも間違いではありませんが、完全に抜け落ちているモノがあります。

 

それは営業職自身の感情です
 

 

昨今では、
【何を伝えるかではなく、いかに伝えるか?】と伝え方を重視する方も多く見受けられますが、これとも違います。
 

 

いかに伝えるかはどのようなスピードで、どのような順番で、どのような言葉遣いで、どのような表現で伝えるかを意味しています。
 

 

つまりこれらは、同じ内容の話を伝え方の工夫によって契約に近付けるということであり、これはスキルや技術と呼ばれているモノに近いと思います。
 

 

私がいう感情とは、
「契約して欲しい」「もっと買って欲しい」「是非来店してみてもらいたい」という気持ち、熱意、情熱
です。

 

【契約への意欲・執念】を伝えると言い換えてもいいと思います。

 

 

 

 

 

多くの営業職の考え方

 

 

現在の営業職の皆さんと話していると、
『お客様はメリットやベネフィットを感じなければ契約しない』
⇒『お客様にメリット・ベネフィットを感じさせれば、契約を獲得できる』
と思い込んでいると感じます。
 

 

これらはどの営業職もほぼ例外なく信じている事です。

 

だからこそ、それを実現するための情報提供を心掛けているのです。

 

勿論、これらは間違いではありません。

 

しかし、これだけを心掛けていても、より多くの契約を獲得することはできないのも事実です。

 

 

 

 

 

何故感情を伝えることが有効なのか?

 

 

では、何故感情を伝える必要があるのか?

 

私がこの必要性を伝えると、
多くの営業職が
「川端さんのように論理的な人が『感情を伝えよ』なんて、意外です」
「川端さんの口から、そんな昭和な単語を聞くとは思いませんでした」
などと不満の声が挙がります。

 

しかし、私がその理由を説明すると、ほぼ全ての営業職が納得します。

内容としては、実にシンプルなモノです。
 

 

それは、情報・事実だけで冷静に、冷徹に自身の行動を決めることが難しいからです。

 

これはビジネスの現場においても実はそう変わりません。

 

冷静に情報・データという事実だけで、全ての決断を下す人間がどれほどいるかと言うと、ほとんどいません。

 

必ず情報・データという事実とは別に、自身の誰かやモノに対する好き嫌い・愛着・思い入れなどを介入させて、決断を下しています。

 

 

 

 

 

例1:我々はビジネスライクに判断が出来るのか?

 

 

例えば、皆さんの多くは、何らかの保険商品を契約していると思います。

 

では、どの保険会社のどの保険に入るかという事を決める際に、保険会社の担当営業職への心象が全く影響を与えなかったという方はいますか?

 

恐らく大半の方は、保険会社の営業職への印象が、契約という行動に少なからず影響を与えているはずです。
 

 

本来、自身の考え・状況・要望とどの保険会社のどの保険プランが最もメリットが大きいのかは、誰が説明しようが変わらないはずです。

 

毎月のコストも負担しなければならず、かつどの保険プランを選ぶかで不測の事態が起きた時のその後の生活を決めてしまうほど重要な契約のはずです。
 

 

そんなシビアな保険の契約においてさえ、保険会社の営業職への心象が影響を与えているという事実は大変重いモノだと思います。

 

またそのことを把握しているからこそ、多くの保険会社は多額のコストをかけて、多くの営業職を採用しているはずです。

 

 

さて、このことは保険会社だけに限ったことでしょうか?
 

 

こうしたことからも簡単に分かるように、我々は情報・事実から冷静に冷徹に全ての行動を決めているのではなく、自分が抱いた感情を介入させて多くの事を決めており、これはお客様もまた同じです。
 

 

では、自身の感情はどのような時に揺さぶられ、判断や行動に影響をもたらすと思いますか?
これは個人差があると思いますが、最も典型的なパターンは感動した時、共感を抱いた時ではないでしょうか?

 

 

 

 

 

あの感動を思い出してみてください

 

 

この記事を書いているのは令和4年11月25日金曜ですが、一昨日のサッカーワールドカップのドイツ戦における勝利は多くの日本人の感情を揺さぶり、我々日本人に勇気を与えたと思います。

 

「俺たちも明日から頑張ろう!」と気持ちが高ぶった人も多かったと思います。

 

いつもより仕事に意欲が生まれたという方もいたはずです。

 

その感情、その変化はどこから生まれたのかを思い出して欲しいと思います。

 

恐らくは、世界の強豪ドイツに逆転勝利したという結果に感動し、その代表選手の喜びを同じ日本人として共感することができたからではないでしょうか?

 

 

 

 

 

中間のまとめ

 

 

ここまでの中間のまとめです。

 

ビジネスの現場においても、お客様は事実・情報・データだけで冷徹に決めることは難しく、自身が抱いた感情からもその判断に影響を受けている。

 

そして、感情が動き、最も判断に影響を与えるのは、他人の行動に感動・共感を抱いた時。
 

 

 

 

 

 

ここまでの解説を商談に当てはめてみると

 

 

これをお客様対営業職という局面で見てみましょう。

 

恐らく、お客様の感情が動き、契約に近付く時は、営業職の行動に感動・共感を抱く時であり、具体的にはこのようなモノではないでしょうか?

 

 

「出来るなら、このお気に入りの営業マンから買いたい」
「一生懸命やっているから、何かその努力に報いたい」
「頑張っている人を応援したい」
誰しも抱く感情です。
 

 

さて、ここで予想される反論にもお答えしたいと思います。

 

こうしたことを言うと、「ビジネスはもっとドライなモノだ」と反論する方は多いです。

 

或いは、もっとドライにビジネスライクに仕事を捉えるべきだと思う人もいるでしょう。
 

しかし、それらは所詮「あるべき論」であり、現実とはズレがあります。

 

 

 

 

 

例2:我々はどうだろうか?

 

 

例えば、私達営業職も感情によって多くの事を決めています。

 

「上司が褒めてくれたから、今日はいつもより頑張ろう」
「上司から嫌な事を言われたから、今日はやる気がしない」
「今月は数字が厳しいから、値下げしてでも契約件数を稼がないとな」

 

これらはビジネスライクでもドライでもありませんし、ビジネスパーソンの本来のあるべき姿とは程遠いモノです。

 

しかし、誰もが何度となく思ったことではないでしょうか?
 

 

私はこれがいいか・悪いかを論じたいのではありません。

 

事実として、ビジネスの現場はこうして人々の感情で多くのことが動いているということです。

 

何故、お客様だけがビジネスライクに全てを決めていると思うのでしょうか?

 

お客様もまた感情の一切を押し殺して、ビジネスの判断を下すことの方が珍しいはずだと思うのが自然ではないでしょうか?
 

 

お客様とて人間である以上、感情で多くの事を決めています。

 

そして、その感情は相手、つまりあなたの行動に感動・共感を抱いた時であり、それらはあなたの熱意や誠実さのこもった行動や情熱溢れる感情によって最も影響を受けているのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

コロナ禍が証明してくれた事

 

 

こうしたことは、実はコロナ禍において更に証明されたと感じます。
 

 

それは情報の伝達であれば、
メールや電話、オンライン会議などで十分に出来るのに、
何故営業職はこれまでも今も今後も
「出来るなら、お客様と会って話したい」
「お客様と会って話した方が早い」
と思っているのでしょうか?
 

 

情報の伝達なら、形が残るメールやチャットが一番正確ですし、齟齬も起きにくいはずです。

 

話すだけなら、移動の時間やロスを考えれば、電話やオンライン会議の方が余程合理的です。
 

 

しかし、コロナ禍において、会う事のハードルが上がった時に何が起きたのか?

 

それは三つの現象です。

 

一つは、会うことが難しいので、電話やメールやオンライン会議で商談の代用をするケースが増えたという至極当然の現象。

 

二つ目は、感染状況が落ち着いたり、緊急事態宣言が解除された途端、「待ってました」とばかりにお客様に会いに行くという行動に出た営業職が多かったという現象。

 

もう一つは、営業職・お客様双方において『本当なら会って話したい』とコンセンサスが改めて生まれたという現象です。
 

 

これは会うことが減り難しくなったからこそ、会って話すことの有効性を実感したからに他なりません

 

 

 

 

 

まとめ:【商談では感情を伝えよ!】の理由

 

 

それは営業職が
【お客様もまた感情によって、ビジネスの多くを決めていること】を再認識したこと。

 

それを動かすには自身の感情を伝えるのが効果的だと知ったこと
そして、それは会うのが一番確かな方法だと営業職が知ったこと、
そして、お客様もそれを感じた上であらゆることを決めたいと実感した事
こうしたことが露わになったのではないでしょうか?
 

 

営業職が商談で伝えるべきは情報だけではありません。

 

【情報+感情】です。

 

営業職の情報+感情⇒お客様の感情の変化の発生
⇒契約⇒双方の利益の発生
です。

 

 

ですから、まずはお客様が営業職に感動や共感を抱くように、
誠実に真面目に仕事に取り組んでください。

 

その上で、商談においては、自身の熱意・契約への執念を必ず伝えてください。
「私から買って欲しいです」と感情を込めて伝えてください。

 

 

クールでスマートな営業職よりも、お客様はそうした営業職の方を不思議と信頼するモノです。

 

 

営業という仕事が、情報・データに基づいた仕事であることは確かです。

 

しかし、一方でそこを超えた人間臭さ・泥臭さが勝敗を分けるという面白さも持っています。

 

そして、そういう目に見えない人間のアナログな部分で勝負できるという最も知的でスリリングな仕事だと私は思っています。

 

それを是非理解し、またその面白さを堪能して欲しいと切に願います。