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ダンディなオジサンの『モテる秘訣』は聞くべきか?

2020.11.06
ダンディなオジサンの『モテる秘訣』は聞くべきか?

少し前だが、仕事仲間三人で一緒にお酒を飲んだ時の話だ。

一人はIさん、一人はダンディなルックスを持ち女性にモテるオジサンRさん、そして私だ。

Rさんは饒舌に様々な話を語り、やがてモテる秘訣を語り始めた。

「こういうことを言うと女性は喜ぶ」、「こういう話が女性に受けがいいんだ」「こういう風にエスコートするんだ」などの話だ。

その話を食い入るように聞き入るIさん。

それに対して、全く関心を示さない私。

それに気付いたIさんは

「川端さん、Rさんのモテる秘訣に関心が無いの?」と聞いてきた。

 

私は「はい、関心ないです。例えば、Rさんの『ダンディなオッサンになるにはこんな服を着た方がいい』という話だったら聞きたいですよ。でも今の話ってモテるための取るべき行動についての話ですよね?だったら興味ないですね。だって、Rさんはルックスがダンディじゃないですか」

 

さて、ここまで読んだ方は私が何を言わんとしたかをご理解頂けたであろうか?

 

 

私はこの後こう説明した。

「Rさんはダンディなルックスだけである程度モテるはずですよ。ですから、モテてる要因がRさん自身が語るモテる秘訣、つまり行動によるものとは限らないんじゃありませんか?私だったら、とてもモテそうにないオッサンが語る『モテるための行動』なら聞いてみたいですね。だって、その人の行動がモテる要因になっている可能性が高いですから」

Rさんは複雑な表情を浮かべながら「出たよ、川端節が」と呟いた。

 

私が何故この話を紹介したかと言うと、ビジネスの現場においても、Iさんのように結果だけを見てしまい、原因と結果を論理的に分解して考えることが出来ない人がほとんどだからである。

 

例えば、この話で言えばRさんがモテる理由・要因はいくつも考えられる。

その一つがダンディなルックスだ。勿論Rさんがルックスとは別の理由でモテている可能性も十分ある。しかし、冷静に考えればダンディなルックスを持っている以上、そうでない方よりはRさんの行動がモテる要因である可能性は低い。そう考えるのが論理的ではないだろうか。

私はいかにもモテそうにない方が語るモテる秘訣(=モテるための行動)なら聞いてみたいと言った。それは論理的に考えれば、その方が本当にモテているならば、その方の行動そのものがモテる要因である可能性が高いからだ。もっと言うなら、モテそうにないルックスというビハインドを補って余りある秘訣を持っているに違いない。だからその分Rさんのそれと比べると聞く価値が高いと考えた訳だ。

ここまで詳細を考えなくとも、IさんがRさんの言うモテる秘訣を実践すればモテるのかと考えれば、すぐに結論が出る話であり、Rさんのモテる秘訣など価値がないと言った私の考えが合理性があると考えてもいいのではないだろうか。

 

(因みに人間性という要素も無視できない要素だが、それは両者に言えることなので、どちらの行動がよりモテる要因になっているのかという観点からは無視していいだろう)

 

しかし、ほとんどの方はおそらく現実にモテるRさんの意見の方が「モテるための情報として価値がある」と判断して、耳を傾けるのではないだろうか

 

繰り返しになるが、こうした事は仕事の現場でもよく起きる現象である。

例えば「聞いたことのない企業の商品より、誰もが知る有名企業が作り出すモノの方が間違いない、信用できる。」と多くの方は思っているはずだ。

これは間違っている訳ではない。むしろビジネスでは重要な要素ではある。

誰もが知る有名企業=結果を既に出した企業(多くの方に認められた企業)

⇒この有名企業の商品は間違いない。

冒頭の話に当てはめると

女性にモテるRさん=モテるという結果を既に出したRさん

⇒このRさんが語るモテる秘訣は間違いない。

 

という思い込みである。

結果を出す要因はいくつも考えられるのにその原因分析を行わずに、結果を出した人や企業の言うことは無条件で信頼できるという決めつけをしてはいないだろうか?

これは裏を返せば、現在結果を出していない人の意見や無名の企業の商品を見逃しがちになってしまうリスクをはらんでいると言える。

当たり前ではあるが、現在誰もが知る有名企業や大手企業もかつては誰も知らない企業だったはずだ。その時は、零細企業としてその時の大手企業と比べられて「心配だ」「信用できない」という事をむしろ言われる側だったはずである。さて、その時どれだけの人が彼ら彼女らの商品やサービスを偏見なく見ることが出来ただろうか。このように考えると、その商品や製品が持つ素晴らしさと企業の規模、知名度には皆さんが思っているほど相関関係がないことが分かるだろう。おそらくどこかのタイミングで当時零細企業だった現在の大手企業のサービスや商品が、他の企業を上回った瞬間があったはずである。得をしたのはその瞬間に出来るだけ近いタイミングでその会社のサービスや商品を取り入れた企業ではないだろうか

こうしたことは企業に限らない。一人の人間を見る時もそうだ。その人が持つキャリアやルックス、肩書(所属企業の規模、経営者であるか、管理職か、否か)とその人が持つノウハウや能力、面白さは何の関係もない。何故なら、それらの実績やキャリアはあくまでその時点での世間的評価でしかないからだ。これらは年齢も全く関係ない

ブランドや肩書、その時点での結果など見ずに、企業であれば商品やサービス、人であればその人の語る言葉やノウハウを見た方が単純に良いモノと出会うことが出来るということだ。

 

誰が作ったか分からない商品、誰が語ったか分からない言葉、それでも納得してしまう、満足できるモノが本来それそのものの価値だ。

ただ、そのものの価値だけを見るなどという芸当が出来る人間はおそらく1%もいない。

だからこそ、ビジネスの世界では自分たちはブランドや肩書を作ろうと努力し、それによって自分がいかに信頼されるのかに心を砕くのがセオリーである。

しかし、現実として社会全体がそうだから努力することと、本来はそうじゃないと思って人や企業やその商品を見ることは何も矛盾しないし、二律背反でもない。)

 

冒頭の話をしたのは、前段のように何となくイメージで何かの評価を決めてはならないということと、結果だけを見て何を信用するかを決めるのではなく、その原因は何なのかと考えないと効果は見込めないという典型的な話だと思ったからである。

 

こうした事を知り尽くして日々の小さな決断を積み重ねている人間と、大半の人のように何となくイメージで決断を繰り返す人では結果は大きく違ってくる。

 

抽象的な言い方ではあるが、もしあなたが自分の世界を変えたいと思ったら、自分のこうした癖を矯正するのが私は一番簡単だと思う。

少なくとも面白い人に出会える確率はそれほど時間をかけずに飛躍的に上がってくる。

また仕事においても、論理的な思考や合理的な結論を出すことが出来るようになるだろう。

 

そして、それを誰よりも体現・実践しているのが、日本初にして日本唯一の営業の専門家であるサトミ営業相談所の川端であるということも付け加えておこう。